福田に学ぶ

2007.01.31
未―コラム記者ノート

 氷上町福田区が区をあげて、「おいやか村」という組織を立ち上げた。地域おこし的な仕掛けを通して、都市住民ら「よその人」と交流し、「よその人」の知恵や手を借り、また一方で集落営農などを進め、地域の環境を守っていこうというものだ。 福田は、戸数が20戸と少ないため、丹波地域を含めた全国的な少子高齢化による農業の担い手不足、それを起因とする農地の荒廃といった課題が、顕著に現れている。丹波の森協会が「モデル」と位置付け、対処法を研究しているように、近い将来、同様の問題が顕在化する集落も少なくなく、全市的な課題になるだろう。 福田は、特別に魅力的な地域だ。山に囲まれた谷あいに家が点在し、その家を中心に畑や田んぼが広がっている。コンクリートの構造物もほとんど見られず、昔ながらの「いなかの風景」が残っている。隣集落と峠で隔てられているという地理的事情が、「いなかの風情」をさらに高める。 わずか20戸で、地域の将来をかけて立ち上がった区民の熱意が実を結ぶよう、応援したい。そして、これからの福田の取り組みから多くを学びたいと思う。(足立智和)

関連記事