篠山の商店街で、「昭和縁日なつかしいあの頃の夕暮れ」と題したイベントが初めて開かれた。魚屋町通りの誓願寺から南へ伸びる「西町通り」を歩行者天国にして、『昭和』をテーマにした夏まつりをするという異色のイベントだった。 昭和初期に建てられた店構えが多いという通りの景観に合わせ、風鈴市、ほおずきや朝顔の市などが出て、街灯の下にはクラシックカーの展示。木桶に張られたシャボン水、古めかしい自転車に「アイスキャンデー」の布旗、と演出も凝っていた。私自身が「なつかしい」と思うには時代が遡りすぎていたが、夕暮れと「昭和」も何となくマッチして、なんだかゆったりした気持ちになることができた。 商店街有志らの企画だったが、実行委員長は30代。子どもの頃に見ていた風景というには古すぎるし、風鈴市などは関東のもので、篠山では昔もやっていなかったそうだ。 日本的なものや古いものに愛着を感じる若い世代が「イメージ」した『昭和』。空想が混じっているからこそ、余計にノスタルジックな時間が流れているように感じたのかもしれない。(徳舛 純)