篠山市内の中学2年生で、「家庭で本や新聞を読む」という生徒は48%だという。子どもたちが朝の時間などを使って読書する「読書タイム」の取材で、同市教委が昨年、行った調査の数値を知った。 一冊の本を読み通すには少々時間が必要だから、「本を読む」という生徒が少なくても仕方ない部分がある。しかし、多くても40ページほどの新聞を読む労力は、読書のそれよりもだいぶ少ないだろう。しかし現実は、半数の生徒が新聞も含めて読んでいないという。市教委は同じ時期に同じ調査を小学5年生にも行っている。そこで「家庭で本や新聞を読む」と回答した児童は59%で、中学生より十ポイント高かった。 インターネットで情報を得ているのか、習い事などで時間が取れないためか、理由は分からない。しかし、中学生が小学生よりも活字と離れた生活をしている状況は読み取れる。 読書タイムの主なねらいは、活字離れが進む子どもたちに読書の習慣を養うこと。その意味では、中学生への取り組みが、より重要な意味を持つ。学校の工夫はもちろんとして、家庭でも子どもたちが本に親しむ機会を設けることが必要だろう。(古西広祐)