28日告示の丹波市議選挙(定数30)は、これまでから動きを見せていた44陣営による争いになりそうだ。 先日、市内各地で市議選に対する有権者の声を聞いた際、回答者の世代によって「投票の基準」が色分けされたことが目を引いた。ごく単純化すると、年齢が高い人たちは地元の旧町、小学校区からの候補者を優先する地元重視型。一方、20歳代や30歳代の若い年齢層ではその傾向は薄れ、「せっかく合併したんだし」ということで、市全域から票を投じる対象を選ぼうする声が目立った。 地元への愛着や思いが強ければ、近くから出る人を応援しようとするのは当然だろう。同時に、一般的に地元への帰属意識が薄い若年層が、地域にこだわらず市全域をながめようとするのも自然な流れだ。どちらが良くて、どちらが悪いという話ではなく、それぞれの世代の「今立っている場所」の違いが出たと言える。 地域代表としての役割を強調するか、丹波市が歩むべきビジョンを語るか、各陣営にはそれぞれ戦略があろう。市民はその姿勢や訴えを注視し、一票を投じる。住民の一人として活発な論戦を期待したい。(古西広祐)