野生動物の被害

2007.01.19
未―コラム記者ノート

 丹波地域で、野生動物による農作物などの被害が大きな問題になっている。最も件数が多いのはシカだが、アライグマ被害も増えている。また、丹波市内には生息地域はないとされるが、篠山市内にはサルが住んでおり、こちらも農作物などを荒らしている。 篠山のサルは今年、これまであまり出没しなかった地域に群れが現れたそうで、なぜなのかが気になる。県が市内3グループの数匹に発信機を付けて生息調査を行っており、今年度末にまとまる結果が参考になるかもしれない。 篠山市の波々伯部神社では、アライグマがお堂に入り込んで、仏像の腕を折った。境内の塀を飛び越えるのを目撃した神主さんいわく「忍者のように身軽で、ただ者ではない」。国も「外来生物法」で、「特定外来生物」に指定しており、かなり厄介物のようだ。 しかし、人間は、野生動物を単に憎んでいるわけではない。外来種は別としても、「なるべく里に出てこずに、山で元気に暮らしてほしい」との思いは共通だろう。野生動物と人間がいかに住み分けるかは、大きな課題。来年4月に丹波市青垣町に開設される県の野生動物研究センターに期待がかかる。(徳舛 純)

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