丹波地域には元気なお年寄りが多いと思うが、最近とりわけ驚いたのは、5日で89歳になられる篠山市の波部時雄さんだ。 市主催の男性料理教室で初めてお会いした。職員の方が「90歳ですよ」と教えてくれたので話し掛けると、「社交ダンスもやっている」とのこと。ぜひ取材させてもらうことにした。 後日、篠山総合スポーツセンター。市社交ダンス教室におじゃますると、実は会長であることが分かり、再び驚いた。女の人の手を取って踏むステップも軽快だった。 波部さんは戦時中、中国で捕虜になり、シベリア抑留を経験。役場を定年後、72歳まで地元の企業に勤めた。それから妻とゲートボールやダンスを楽しみ始め、7年前から「独身」。自炊もするようになったそうだ。 ここ最近、お会いしたことのある方が大勢亡くなられた。深いつながりはなくても、よく知っている人の訃報はショックだ。人の最期はあっけないと感じることもあった。 波部さんの話を聞きながら、いろいろあったとしても、晩年にこんな笑顔で笑っていられる人生はトータルで幸せだなと思った。(徳舛 純)