「人」が作る農村振興

2007.01.31
未―コラム記者ノート

全国グリーン・ツーリズム大会が豊岡市で行われ、全国から旅行愛好家や農村振興の関係者が集まった。グリーン・ツーリズムとは、県では「農山漁村に滞在して田舎暮らしを楽しむ旅」と定義している。大会では東京大学の木村尚三郎名誉教授が基調講演。交流や観光を受け入れる農村に国際的な視点から「客は海外の景色を見慣れている。田舎の景色より人をPRする」ことを強調し、そのほか、▽日本への中国人観光客が大幅に増え、農村に受け入れる体制を作る必要がある▽外国人には意外と食堂のケースに並ぶロウ製の食品見本や焼き鳥などが人気。よそ者から村の長所を見つけてもらう-などの提案があった。また、意見交換で、九州を中心に観光による農村振興をプロデュースしている井出修身さんも「それぞれの土地で最も違いがあるのは『人』。旅行者にとって最も魅力的なのは『人』である」と人の大切さを述べた。井出さんはグリーン・ツーリズムとは「田舎でツー(マチとムラの人が)リズム(一緒に楽しむ)」と定義づけた。観光や交流から農村振興を考える時、ゲスト-ホストの関係より互いに楽しめる工夫が必要だと感じた。(坂井謙介)

関連記事