柏原町新町区のだんじりが、24日の天神祭りで約20年ぶりにお披露目される。その取材で地元の方に話を聞いた時、誰もが目を輝かせ、だんじりのことを話すのが印象的だった。ただ一つ気になったのは、町内に6台あっただんじりが、祭りで使われないようになった「昭和20~30年」という高度経済成長の時期である。 民俗学を学んでいた大学生のころ、多くの高齢者の方に昔の生活について話を聞いた。その話に共通するのは、昭和20~30年を境に昔ながらのものがどんどん姿を消していった、ということである。 だんじりのことを聞いた時も、こんなに立派なだんじりも、時流に逆らえなかったのかと驚いたが、一生懸命作業する人達を見て、あの時期を境に失くした「何か」を取り戻そうとしているようにも見えた。 「今さらそんな古い物を」と思われる方もいるかもしれない。しかし地域の人がこのだんじりを愛する気持ちというのは、地域の結びつきの強さを示しているのではないか、と思えてきた。だんじりを知っている人も知らない人も、その前で一緒に祭りの準備をする、その光景を見て強くそう思った。(西澤健太郎)