おいしい水

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 氷上町の有志で作る「氷上21行動隊」が町内の水質を40カ所調査した。調査は、緊急時に使える安全な水を探すという主題ともう一点、「おいしい水」を探すという隠れたテーマがあったそうだ。 後者に興味をそそられ、代表の篠崎昌裕さんに伺ったところ、谷村の旧有田酒造近くのお宅の井戸から採取したものが一番おいしかったとのことだった。計測結果が他と比べて抜きん出ている訳ではないのに、なぜか「おいしい」のだという。数値に表れない何か、とは何なのだろう。 自分が生まれた所の水をおいしいと感じる傾向にあることや、温度によって随分味の感じ方が違うということも教わった。確かに、大学時代の帰省の喜びの一つは、水を飲むことだったなあ、という思いや、日本酒でも冷えてる時はおいしくても、常温ではとても飲めたものじゃない代物があり、「なるほどね」と思った。 調査中、水辺を自発的に掃除する児童や、欠かさず花が手向けられている水辺との出会いもあったそうで「そういった水に感謝の念を払う心、姿勢が、良好な水環境を守る上で最も大切なのでしょう」と言われていたのが心に残った。(足立智和)

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