じっくり味わう

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 急に暑い日が続き、今までの涼しい天候に慣れた体もすぐにはついてこない。夏休みでうれしいのか子どもも早起きし、朝から「運動会」。元気なのはいいが、毎朝が慌ただしい。朝食はついつい口に運ぶ作業に終わってしまう。丹精込められた丹波の食材だからじっくりと味わなければといつも反省している。 篠山の市街地から離れたログハウス造りのレストハウスを取材した。周りは山々に囲まれ、なだらかなりょう線が心を落ち着かせる。清らかな小川が流れ、涼しげな風が吹く。中に入ると、なんとも落ち着く空間で、室内を通り抜ける風はやさしい。夏の虫たちの声が響き、ゆったりと時間が流れている。 店長は、生まれ育ったこの地にUターンしてきた。自分が生まれ育った土地の自然を愛し、そこから採れた農産物を都市の人にも味わってもらいたいと開店した。徹底して自家製にこだわっている。イノシシを飼い、鶏も柵のない放し飼い。デザートも楽しんでもらおうと柿、栗、ブドウを植えている。 丹波では、食の消費者と生産地が近接している。毎日口にするものをじっくりと観察する機会に恵まれている。消費者の一人として生産現場にもっと触れ、じっくりと丹波の食を味わいたい。そのためにはまず、ゆったりとした雰囲気も大切、とテーブルには花や緑を飾ってみる。(坂井謙介)

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