最近、丹波市内の小学校の先生から驚くような話を聞いた。山登りのできない子どもが珍しくなくなったというのだ。山登りをしている途中で、両手を前につき、四つんばいになって這うように進む。下山のときは、お尻を地面につけ、これまた這うように進む。▼勾配がきついわけではない。2本足で十分に登れ、下れるところだ。しんどいわけでもない。先生は「山道の歩き方が体得できていないようです」と言った。▼以前、「走ることを知らない子どもがいる」という話を聞いたことがある。常に足が地面についている動きが「歩く」であり、両足が地面を離れる瞬間のある動きが「走る」だが、この動きができないというのだ。「走ったら、こける」などと言われ、「走る」ことを体験していないのがその理由だという。▼先の先生によると、山を登っているとき、いつ頂上につけるのかという不安感にかられる。先の見えない不安感も手伝って、四つんばいになるのかもと推測する。不安感が生じるのも、山登りを体験したことがなかったためだろう。「学校に裏山があり、普段から山に親しんでいる学校では、山登りのできない子どもはいません」。▼夏休みも残り少なくなったが、自然体験をするなど思い切り体を動かしてほしい。夏休みは、そのための休暇でもあるのだから。(Y)