ひょんなことから始まった“プロジェクト”がある。本紙篠山版に連載中のデル・ケネディさんの「ささやま交流記」の翻訳だ。 氏は篠山市の姉妹都市、米ワシントン州ワラワラ市の姉妹都市委員会委員長をしている。2年前、新年号の取材でワラワラへ行った時、ケネディさんの仲介で地元紙と「記事交換」をする話が出たのがそもそもの始まり。これは結局、新聞社が倒産してしまい、立ち消えになった。 ケネディさんが今年3月に来日した時、「異文化体験記を書いてみては」と安易に薦めたのだが、それからが予想を超える展開に。ストーリーを綴ったEメールが止まらないのだ。最初はプレッシャーで音を上げていたが、今ではだいたいペースをつかんだ。山南町中央公民館長の垣内宏之さんに添削でずいぶん助けていただいている。 篠山のみなさんはよくご存知だと思うが、本当にユーモア好きの(ユーモアがありすぎてどこまでが冗談か分からない)愉快なおじさんだ。それに姉妹都市交流にとても熱心。訳しながらどんどん人柄に親しみを感じるようになっていった。 9月には40本ものストーリーが詰まった冊子を持ってきた。連載は今日で13回目。まだまだ記事のアイディアがあると言っているので少し恐いような、ずっと続いてほしいような複雑な気持ちになっている。(徳舛 純)