約6万年ぶりの火星大接近の年を迎え、天体ファンでなくても夜空を見上げる機会が増えた。今回火星は地球に5576万Kmまで近づいたらしいが、一体どのくらいの距離なのか実感できない。それでも星を見上げて、「6万年」とか「6000万Km」といった数字を思うだけで、心がゆったりする気がする。 8月29日に「山南星空愛好会」が山南町の久下小で観望会を開いた頃は、真夜中の午前0時ごろに真南に昇っていたが、これがひと月で2時間ずつ早くなり、9月末には10時ごろ、10月末には8時ごろに真南にくるらしい。大接近のピークは過ぎたが、10月末頃まで楽しめるという。火星の見え方はだんだん小さくなるが、子どもでも起きている時間帯に高く昇るから、これからの方がむしろ見ごろだそう。 氷上郡教委の梅垣泰三先生に面白いことを教えてもらった。今年の中秋の名月、『十五夜のお月さん』は9月11日だが、2日前の9日に月と火星の大接近が見られるという。月と火星がだんだん接近し、8時半すぎに最も近づくらしい。当日の空が晴れることを祈りつつ、天体ショーを楽しみに待ちたい。(徳舛 純)