丹波年輪の里のアート・クラフトフェスティバルにでかけた。感動した作品があった。穴が無数に開いた緑色の棒に子どもたちは用意されたつまようじを刺していった。サボテンが現れてきた。少し離れて見ていると、丹波の山並みと広い青空とマッチし、なんとも美しかった。 同じような感動を他でも味わったことがある。子どもたちが広い牧場を利用し、枝や草を集め大きな「鳥の巣」を作った。土で固めた「卵」を好きな色で描き、鳥の身になって温めるという企画。 いずれのイベントもその土地の形や景観を利用し、人間が作ったものを自然に溶け込ませようとしている。人間が自然に合わせようと、ゆっくりとした時間のなかで製作していく。こうした自然環境の中で芸術活動をすることや自然をテーマにした芸術を「環境芸術」と言うようだ。 丹波では人々の営みそのものが、見る人によっては環境芸術になっている。稲木干しや燃やしたもみがらの煙など。「広場を使ってこんな自由に表現できるのは、ここだけや」とサボテンの考案者。丹波では、自然をテーマにしたイベントや活動がよく似合う。(坂井謙介)