週末神戸に、サザンオールスターズのコンサートを見に行った。入場者数は約7万人。座席は250列を超え、大スクリーンが6枚もあった。 自席から見えるメンバーは小指の先より小さい。しかし、全てがけた外れな規模のイベントに圧倒された。「ものすごい祭りやな」。途中、後ろの席の男性がつぶやいたが同感。大がかりな『祭り』を見た気分だった。 普段の生活では体験できない非日常的な空間には、新鮮な楽しさがあるが、それを見つけるのはなかなか難しい。大イベントもいいが、それは「一夜限りの夢」だ。日常生活により近いところ見つければ、長く続けることができる。 同じ週末、市島町で行われた川下り企画は、そういう意味で非常に楽しく感じた。地域の自然で遊ぼうと、カヌーを地元の川で学び、約6キロを下った。夜はキャンプ。参加した中学生は、「めちゃめちゃ楽しかった」と声を弾ませた。 普段上からの視点ではのっぺりとして見える川も、水面に浮かぶカヌーからでは、印象が全然違ったろう。まさしく、「見る角度の違い」が生んだ楽しさだ。少し視点を変えると、変わり映えしない、と感じがちな日常も素敵にかわる。(古西広祐)