最近、子どもが犠牲になる物騒な事件が多い。下校途中に行方不明になった中学生、登校中にカッターで切りつけられた中学生、遠足の帰りに行方不明になった小学生など。犯罪まではいかないまでも身近にいたずらを受けた話も聞く。子どもを持つ親として心配になる。 なにかあってはならないと、自分の子どもにも防犯ブザーを持たせている。学校でも、普及率が高くなっているようだ。一度確認のため、金具を外し、鳴らしてみると、耳をふさぎたくなるような「ピー」と甲高い音が鳴り響いた。 先日、子どもの友達が下校中に転んだ弾みで、金具が外れ、防犯ブザーが鳴った。一緒に帰っていた数人でなんとかして音を止めることができたが、声をかけてくれる人がいなかったようで、ブザーを鳴らせば、人が来てくれると信じていた子どもたちにとっては不安だったようだ。 防犯ブザーは気付いてもらって、初めて機能が発揮される。持つ者は使い方とともに、声を出す訓練も必要である。聞く側もブザーを聞いた時の対処法を日ごろから確認することが必要だと感じた。(坂井謙介)