日本調理師協会「師範」に認定 眞鍋馨(まなべ・かおる)さん

2007.04.27
たんばのひと

 調理師の全国組織 「日本調理師協会」 (大阪市) から、 これまでの料理界への功績を称え 「師範」 の認定を受けた。 「茶寮ひさご」 店主。

  「『師範』 は、 調理経験の実績と技術のある人を認定して、 後身の育成に力を注いでもらおうというものです。 20歳から包丁を握り、 11年前に帰郷して父親の店をリニューアルしました。 丹波の食材は、 すごく良くて誇れるものです。 帰郷してからは、 新聞などへの連載や地場食材を使うことを通して、 その素晴らしさをPRしてきました。 師範の認定は、 これまで活動してきたことが認められたということだと思います」
  「30歳代までは、 日本料理を学びながら、 フランスの食材や調理法を取り入れたり、 色々取り組んでいました。 今は折り目の正しい日本料理を丹波の食材で出そうとやっています。 日本人の食が変わっていく中で、 伝統的な日本料理を残さないとと思うからです。 洋風中心になり、 日本料理が100年後には全然別のものになっていては困ります。 何百年も守ってきたものを、 きちんと伝承していかないといけません。 丹波には田畑のある家が多く、 米や野菜の味をよくご存知です。 都会に比べると、 日本食はそれほど廃れないのではないでしょうか。 店には、 京阪神からのお客様が多く来られます。 丹波のものをわざわざ食べに来られるのだから、 自慢できるものをお出ししたいと思っています」
  「これからは、 今まで以上に丹波の食材を追求していきたい。 力になれたらいいなと思うのが、 『丹波の伝統野菜』 づくりです。 京都には独自ブランド 『京の伝統野菜』 があります。 黒豆や小豆、 栗などがあるのだから、 丹波でもできるのではないでしょうか。 丹波市と篠山市に一緒になって取り組んでもらい、 料理人が協力できればと思います」

 北大路魯山人ゆかりの料亭で修行し、 老舗料亭の料理長を務めた。 文楽や歌舞伎など、 古典芸能にも興味を注ぐ。 「料理をもって自分を表現したい」。 包丁一筋に生きる職人のまなざしは熱い。 丹波市山南町和田。 54歳。(古西広祐)

関連記事