県立柏原と柏原赤十字両病院の2006年度の患者数が、 05年度と比べ、 入院、 外来とも20%以上落ち込んでいることが16、 17の両日開かれた丹波市議会医療特別委員会の分科会で、 市が示した資料で分かった。 両病院合わせ、 延べ7万9692人の患者が減った。 医師不足で診察制限や休診が相次いだことが要因。 患者減に伴い収益が悪化し、 06年度一年間で、 柏原で10億円を超える赤字 (一般会計から繰り入れ後)、 柏原赤十字も赤字が4―5億円に達する見通し。
06年度の柏原病院の入院患者数は、 6万2338人 (対前年度比25%減)、 外来患者数は、 10万1668人 (同26%減)。 同様に柏原赤十字病院の入院患者は、 2万3605人 (同21%減)、 外来患者は5万9006人 (同21%減)。
柏原病院の患者減の最大の要因は、 内科。 同科医師がほぼ1年で6人減り、 同科の入院患者が半減した。 内科は 「診察の入り口」 にあたり、 内科で診た後で外科や脳外科にかかる患者も多く、 「入り口」 が狭まったことが他科の患者減に影を落とした。 また、 休診になった皮ふ科も約7000人の患者減を招いている。
05年度は6億8800万円の赤字 (一般会計繰り入れ後) だったが、 06年度は病棟二つ (うち一つは結核病棟) を閉鎖し、 経費削減につとめたものの、 10億円 (一般会計繰り入れ後) を超える見込み。
柏原赤十字病院の減少の原因は、 外科、 整形外科の休診などによるもの。 05年度約3億円だった赤字は、 06年度は約4―5億円に拡大する見通し。
市によると、 開業医への影響や、 市外病院への患者の流出数などは調査しておらず 「分からない」 という。
4月1日時点の両病院の常勤医は、 柏原26人 (06年3月末比11人減)、 柏原赤十字5人 (06年5月末比6人減)。(足立智和)