柏原赤十字病院 (足立和秀院長職務代理) が、 職種を越えて病院ぐるみで患者の栄養管理を支援する 「NST (栄養管理支援チーム) 稼動施設」 として、 日本静脈経腸栄養学会から認定された。 同認定取得は、 丹波圏域の病院では初めて。
栄養不良患者に対し、 主治医以外の医師、 看護師、 薬剤師、 管理栄養士、 臨床検査技師、 理学療法士がチームを組み、 それぞれの立場から患者に適した投薬、 食事の取り方、 リハビリなどを話し合い、 治療計画を作成、 主治医に提言する。 疾病の早期改善と、 入院中の生活の質をあげるのがねらい。
週に一度、 カルテをもとに患者の容態を確認。 例えば食欲がなければ、 薬の影響はないか、 栄養を吸収しやすい薬が使えないか、 少量でも高栄養のものを与えてはどうか、 リハビリで体を動かすことによって食欲がでないか―などを話し合う。
昨年1月に取り組みをスタート。 1年間で105人の患者に、 栄養管理支援を行なった。 腸閉塞による栄養不良で、 寝たきりだった高齢女性が、 床ずれも完治し、 元気に退院したケースもある。
同病院は、 深刻な医師不足の状況にあるが、 医師以外の職種のスタッフがそれぞれの専門領域で患者にかかわることで、 医師の負担を軽減することにもつながった。 また、 糖尿病認定医の足立院長代行をはじめ、 日本糖尿病療養指導士の資格をもつスタッフが約10人いることから、 糖尿病予防などの面ではNSTと関連させることで、 特に効果が発揮できるという。
チーム責任者で、 管理栄養士の上野千絵子さんは 「今は入院患者のみだが、 これからは地域や施設に対してもこの取り組みを生かすことをめざしたい。 従来の栄養指導よりも、 より多角的な指導を地域に還元できる」 と話している。