にしき病院14床増床 救急体制の充実に

2007.09.03
丹波の地域医療特集

 丹波圏域健康福祉推進協議会医療部会 (山鳥嘉彦部会長) が8月30日、 丹波市医師会館 (丹波市柏原町) で開かれ、 にしき記念病院 (30床、 篠山市西谷) の14床増床を承認した。 同病院は、 柏原赤十字病院が医師不足により丹波医療圏域救急輪番制から離脱したのを受けて、 7月から平日の輪番制に参加しており、 救急の受け入れ体制の充実がねらい。
 同病院は、 2期に分けて病棟を増改築。 11月上旬をめどにまず10床を、 来年の早い時期に残る4床を稼動させる予定。 また、 来年1月にも新たに外科医師1人が着任する予定で、 着任次第、 土日の輪番制にも参加する考え。
 同病院は7月の輪番参加時点から救急用のベッドとして3床を確保しているが、 このために従来の入院用ベッドに空きがなくなるなど、 ベッドの調整が困難を極めているため、 増床について県との調整を続けていた。 平日週1回の輪番日には、 平均で3件の救急を受け入れている。
 井出通雄院長は 「救急現場はとにかく大変な状況だ。 14床を増やしても十分とはいえないが、 医療の原点にかえるとき、 救急は抜きにできない。 許可がおり次第、 すみやかに工事に入り、 次のステップに入りたい」 と話している。
 県保健医療計画に定める丹波圏域の基準病床は1324床で、 現在は1310床と、 14床の余裕があった。 増床には県の許可が必要。 柏原健康福祉事務所は近く、 同病院の増床に関する同医療部会、 篠山市長、 同市医師会の意見書と、 増改築計画の図面を県に提出する。 許可がおりるまでに1カ月ほどかかる見込み。
 山鳥部会長は 「今回の増床で救急医療が抱える課題が解決するわけではないが、 少しでも地域の医療がよい方向に向くなら、 ありがたいこと」 と話している。

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