取り組みを意見交換 丹波「守る会」・千葉「育てる会」

2007.11.27
丹波の地域医療特集

 県立柏原病院の小児科を守る会 (丹生裕子代表、 15人) と、 千葉県北東部の東金市を中心に活動するNPO法人 「地域医療を育てる会」 (藤本晴枝理事長、 21人) が30日、 丹波市内で意見交換会を開く。 両団体は、 単に医師増員を行政や病院に求めるのでなく、 適切な受診を心がけるなど、 住民側の行動で医療を守ろうとする点で共通しており、 共に 「市民活動の先進事例」 として、 全国的に注目されている。 互いの会の取り組みや、 今後の活動などについて意見交換する。
  「育てる会」 から、 平井愛山・千葉県立東金病院長ら3人が来丹する。 同会は2005年、 地域の中核2病院の医師不足の顕在化を背景に設立された。 当初から 「誰かに責任を転嫁し、 責任追及をしても、 医師不足は解決できない」 との認識に立ち、 医療者と住民間のコミュニケーションの食い違いをなくし、 両者が情報を共有し、 理解し合うことで医療を守ることをめざし、 活動している。
 若手医師が説明能力を高めるのに一役買おうと、 会員や市民が患者役になり、 病状説明を受け、 善し悪しを採点する 「医師育成サポーター事業」 を実施するほか、 毎月、 適切な救急車利用の啓発や、 妊婦健診の受診など、 タイムリーな医療話題を掲載する情報紙を発行するなど、 医療者と住民のつなぎ役の役割を果たしている。
 患者側の努力で医師の負担を減らそうとする守る会の活動に感銘を受けた藤本理事長が、 自身のブログで紹介したり、 平井院長が会に激励のメールを送ったことで縁が生まれ、 直接対話の話が進んだ。
 藤本理事長は、 「コンビニ受診を控えようとステッカーや、 医療機関受診の目安になるチャート図を作られたりと、 具体的な活動をされているのがすごい」 と言い、 丹生代表は、 「私たちの先輩のように感じている団体。 NPOの運営方法や取り組みなど、 色んなことを教わり、 いいところを真似したり、 勉強し合えたら」 と話している。

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