柏原病院 分娩予約受付を再開

2007.11.12
丹波の地域医療特集

 12月以降の分娩予約の受け付けを今年4月から休止していた県立柏原病院 (酒井國安院長) の産婦人科が、 11月1日付で分娩予約を再開した。 12月以降も、 同病院でお産を取り扱う。 新生児医療を担う小児科の存続危機で、 お産の安全が担保されないとして、 お産休止の瀬戸際に立たされた同科だが、 小児科の機能が来年春までは維持できる見通しが立ったことで、 予約を再開することにした。
 小児科の実働常勤医が1人になり、 この小児科医が退職した場合、 安全な分娩ができなくなるおそれがあるとして、 今年4月時点で、 妊娠初期での予約を休止。 その後、 「県立柏原病院の小児科を守る会」 の運動と丹波市の財政支援で、 10月から神戸大学医学部附属病院から非常勤の小児科医の応援体制が敷かれた。
 初期での予約休止後も、 検診で同病院を訪れる妊婦で同病院での出産を希望する妊婦については、 妊娠28週目で意志を確認し、 分娩を続けていた。
 産婦人科は常勤医3人と非常勤医1人体制で、 月35件程度を上限に、 分娩予約を受け付ける。
 4月以降の同病院の分娩数は、 4月22件、 5月33件、 6月28件、 7月30件、 8月26件、 9月25件、 10月32件。 11月以降の分娩予定数は、 11月24件 (うち4件他院へ紹介予定)、 12月26件 (同)、 1月23件 (同)、 2月23件、 3月17件。
 産婦人科部長をつとめる上田康夫同病院副院長は、 「里帰り出産などで、 『12月以降分娩できるのか』 という問い合わせがあった際、 これまでは小児科の存続がはっきりせず、 『確約はできない』 と答えていたが、 来院された方で分娩を断ったケースはない。 当面、 小児科の応援体制がとれる3月末までは、 分娩を続けられる」 と話す。
 酒井院長は、 「心配をかけていたが、 年度内は続けられることになった。 同じ病院で、 小児科、 産婦人科の常勤医師がそれぞれ複数いるのは、 北播、 丹有地域では柏原病院だけ。 周産期医療をこの地で守っていきたい。 4月以降も分娩が続けられるよう、 市民みなさんの支援をお願いしたい」 と、 協力を求めている。

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