県民局のツアーで、洲本市のBDF(バイオディーゼル燃料)事業を見学した。旧五色町の時代からプラントを導入し、家庭の廃食油を回収して精製した油を、公用車で使っている。集落ぐるみで菜の花を栽培する農家も増え、菜種の搾油工場を建設中だ。▼CO2対策として有効なBDFは、ドイツなど欧州では、すでに経済ベースに乗って広く定着。国内でも滋賀県の生協から始まった「菜の花プロジェクト」が全国に広がり、丹波市内でも民間でバイオ・カーが動き出した。▼日本政府の対応は鈍く、採算性、品質基準、課税面などクリアすべき問題は多いが、重油の高騰に加え、温暖化対策にいよいよ本腰で取り組まなければならなくなった状況下、これを無視できなくなっているのは確かだ。▼加西市では韓国系の日本サムスンの協力でBDFの装置を導入し、石油販売会社が廃食油の回収、製品販売を引き受ける事業が始まる。サムスンは自社のCO2排出量の削減効果として換算するという。▼また稲美町ではエタノール米の栽培のほか、食品残さの飼料化、たい肥化、メタン発酵・ガス化なども含め、農業と結びつけた「バイオマスタウン」の実現に挑戦している。まさに地方が先導し、中央を動かしていく構図だ。丹波の自治体も、ただ手をこまねいている時ではないように思う。 (E)