恐竜の首の骨「環椎」見つかる 竜脚類では国内初

2008.02.25
丹波の恐竜

 県立人と自然の博物館 (三田市) は21日、 丹波市山南町上滝の大型草食恐竜の化石発掘現場から、 ティタノサウルス系類のものとみられる、 首の骨の一部 「環椎 (かんつい)」 を発見したと発表した。 首の骨の中で最も頭部に近い部位にあるもので、 昨年6月に見つかった頭骨の一部 「脳函 (のうかん)」 とつながる。 小さな骨のため化石として残りにくく、 竜脚類の環椎が見つかったのは、 世界でも10数例しかなく、 国内では初めて。 (古西広祐)
 環椎は幅6センチ、 縦8センチ、 厚み3センチ。 片面にくぼみがあり、 その部分が脳函の突起部とつながる。 頭の向きなどを制御する部位。 1対の 「神経弓 (しんけいきゅう)」 と、 「間椎心 (かんついしん)」 と呼ばれる3つの骨からなる。 竜脚類では幼い個体だとこれらが分離することが多く、 今回発見されたものは3つの骨が融合して1つになっているため、 「個体は大人だと考えられる」 という。
 これまでティタノサウルス系類ではブラキオサウルス、 フタロンコサウルスなど、 首の保存状態が良かった数例でしか見つかっていないため、 三枝研究員は、 「予想外」 と発見を驚き、 「この個体の保存状態の良さを示している」 と、 他の部位の発見にも期待を寄せた。
 発掘ボランティアの横内悦美さん (58) =山南町大谷=が5日に見つけた化石をクリーニングした結果、 形状などから環椎と判明した。 横内さんは、 「丸かったので首の骨かもしれないと思ったが、 そんなに貴重な化石だとは思わなかった。 感動です」 と喜んでいた。
 このほか、 肋骨の露出が進み、 10本程度が損傷の少ない状態で見つかったことが発表された。
 第2次発掘は今月末までに作業を終える計画のため、 これらの骨は、 月末までに石こう布で固めて運び出すという。

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