舛添大臣「丹波を視察したい」

2008.06.06
丹波の地域医療特集

 先進的な治療、 医療知識の啓発、 予防、 システムの構築など、 医療を支えたり、 向上に尽くした団体に贈られる民間基金 「メスキュード医療安全基金」 (理事長=高島成光・共栄製鋼代表取締役会長) からの寄付贈呈式が2日、 厚生労働大臣室であり、 県立柏原病院の小児科を守る会ら7団体の代表者に100万円の寄付目録が手渡された。 舛添要一厚生労働大臣、 坂口力元厚生労働大臣も同席。 激励の電子メールを送ったり、 国会答弁で活動を紹介するなど、 かねてから同会に注目していた舛添大臣は、 改めて同会を絶賛。 「国会が閉じたら行きたい」 と、 来丹の意向を示した。
 舛添大臣はあいさつで、 「医療提供者、 受益者である国民、 いろんなところで相互不信が起こっている。 しかし、 医療は提供者も国民も患者もみんなで支えないといけない。 みんなで力を合わせ、 医療の安全を確保して、 本当に安心できる社会を作りたい」 と述べ、 「柏原のお母さんがお見えになっていますが、 患者が小児科を守るんだ、 ということでおやり頂いた。 『お医者さんだけじゃないんだよ、 医療は守るんだ』 という活動をなさった」 と守る会に言及。 「医療崩壊と言われるなかで、 日本の医療体制の再構築を国民運動としてやっていきたい」 と締めた。
 目録の贈呈に続き、 代表者が順番に謝辞を述べた。 高久文麿医療の質・安全学会理事長 (自治医科大学学長) に次いで2番目にあいさつに立った丹生代表は、 「子どもを持つ母親として、 何ができるのかを考え、 活動を始めました」 と切り出し、 「守る会が注目されたのは市民が共感し、 行動してくれたから」 と、 コンビニ感覚での受診を減らした市民が受けた基金であることを強調。 「ぜひ、 丹波へ視察にいらして下さい」 と呼びかた。
 懇談では、 高久理事長が、 小児科医がいったん0人になり、 自治体の呼びかけで医師を大切にする理解が広がった地域に、 もう1人医師が赴任した事例を紹介。 住民や地域の受け皿作りの大切さに話題が及んだ。
  「日本中に困っている地域はある。 困っていて、 運動を始めている地域もあり、 守る会も、 他地域のグループと活動を共にしている。 こういう住民運動が、 点から線、 線から面に広がったらいいなと思う」 との丹生代表の発言を受け、 大臣も 「広がればいいと思う」 と相づちを打った。
 同会が制作した冊子 「病院に行くその前に」 を手にした大臣は、 「これがいいんだよね」 と言い、 「国会が閉じたら、 ぜひ丹波に行きたい。 真っ先に行きたい。 大阪から何時間ぐらいかかるの」 とたずねていた。
 贈呈式に立ち会った、 同基金山口事務所長で丹波市山南町谷川出身の中川文雄さんは、 「子どもの頃、 柏原病院で2年間入院したことがあり、 思い出のある病院。 今回、 大臣の推薦で 『守る会』 に寄付が贈られることになり、 非常にうれしく思った」 と笑顔。 丹生代表は、 「小児科に限らず、 幅広い世代に呼びかけ、 地域医療を守る啓発活動に、 頂いた基金を使わせてもらいたい」 と述べた。
 同基金の贈呈先の一部を厚生労働省が推薦する関係で大臣が立ち会った。

関連記事