和久小児科医も執筆 医療崩壊を防ぐ本

2008.07.04
丹波の地域医療特集

 県立柏原病院小児科医の和久祥三さん (40) が執筆を担当した新書 「医療崩壊はこうすれば防げる!」 (洋泉社、 760円) が7日、 全国発売される。 和久さんは、 「小児医療崩壊を防いだ実例を見よ!~絶望の辞職宣言からの奇跡」 と題し、 20ページ分を担当している。
 和久さんを含む9人の医師が、 医療を救うための策を提言している。 済生会栗橋病院副院長で、 NPO法人医療制度研究会代表理事の本田宏さんの編著。
 和久さんは、 同病院小児科医が酒井國安院長と2人だけになった昨年4月に、 辞意を表明した時の心境を、 「沈没していく 『丹波丸』 の乗客に最後の警報を出した」 と記述。 その後、 県立柏原病院の小児科を守る会ができ、 「警報が届いた」 ことで、 辞意を撤回したと、 記している。 また、 丹波医療再生ネットワークが生まれ、 一緒に医療問題を考える仲間が増えたことなどを喜びとして語る一方で、 病院全体で見ると、 沈没の危機は変わっていないと警鐘を鳴らし、 意識改革をし始めた市民に、 行政が追いつくよう求めている。
 和久さんは、 「たくさんの人にお世話になったので、 謝辞をたくさん書いたが、 カットされてしまった」 と苦笑いし、 「丹波の人の 『思いやりの心』 を全国に伝えたいと、 分かりやすい文章で書いた。 地元の人に、 ぜひ読んでほしい」 と話している。

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