2008年は、「源氏物語」が確認されてからちょうど1000年にあたる。 NHKの「その時歴史が動いた」で紹介された「源氏物語誕生秘話」によると、作者の紫式部は結婚、出産の後、まもなく夫と死別。その後物語を書き始め、「おもしろい」と評判になったことから中宮・彰子の教育係として宮仕えすることになったという。歴史の人紫式部が一気に身近な人に感じられた。 源氏物語をもとにした漫画「あさきゆめみし」の作者・大和和紀さんの新聞掲載インタビューによると、「最近の女性ファンの間では、情熱的に源氏を愛する朧月夜、しっとに狂う六条御息所、思いを表現するのが苦手な葵の上が人気」で、時代とともに読者の反応に変化が見られるとか。 世界最古の長編小説は、400字詰めの原稿用紙換算でおよそ2300枚、登場人物は400人以上になるそうだ。時代を経ても読み継がれるわけは、多様な視点で書かれた物語だからだろう。 篠山市立歴史美術館でも、特別展「源氏物語の世界」が14日まで開催中。「須磨・明石」の絵巻物全6巻などが公開されている。 (徳舛 純)