先月、本紙「てぃー・たいむ」欄で谷垣友里さんが書いていた「沖縄の結婚式」は愉快だった。▼開宴前からあちこちの席でビールが空き、新郎新婦の紹介と乾杯が終わると共に、友人、知人の余興タイム。大きなステージが設けられ、「余興ご出演様控え室」が用意されているほどの盛況。贈り物を一人ひとりが皆に披露しながら新郎新婦に手渡す。大らかで心のこもった沖縄式の様子が、全く部外の読者にまでしみじみと伝わってきた。▼筆者も、上海でだったか、夕食に行ったホテルで結婚式が行われていたのでのぞかせてもらうと、開宴待ちの招待客らが会場一面に雀卓を広げて、あのでっかい牌で、「ポン」、「ロン」と大声を上げているのにびっくりした。▼外国でなく、すぐ隣りの播州でも、90幾歳で亡くなった人の葬式で頂いた香典返しに、紅白饅頭が入っていた。ちょっと面食らったが、「大往生なら、これでいいわけか」と、すごく納得した。▼多くの宇宙飛行士をインタビューした立花隆氏が、スケールの大きいことを書いている。「170万年間、地球から一歩も出ることなく育ってしまった人類は、意識の底の底まで、地球的ローカル性によって様式づけられてしまっているから、地球的ローカル性がユニバーサルであると思い込んでいる」(「宇宙からの帰還」)。 (E)