にわか門下生に

2010.05.24
未―コラム記者ノート

 定年後から本格的に弓道を始め、篠山市で初といわれる「錬士」の称号を受けた中村俊一さんの取材に、丹波市の山南弓道場へと出かけた。 取材は同道場の師範で、中村さんの師匠の上田正平さんも交えて、和やかに進んだ。一通りインタビューを終え、中村さんに掲載写真の撮影で、弓を射るシーンを依頼。中村さんは弓を構えるや否や、先ほどまでの柔和な表情が一変。険しい顔つきとなり、道場内の空気が張り詰めた。弓を構え、矢を放つまでの動作すべてに無駄がなく、静かに弓を引き絞ると乾いた音とともに矢が放たれ、28メートル先の的に「カンッ」という小気味よい音を立て突き刺さった。 そんな勇姿に魅せられ、私も上田師範のにわか門下生に。「力で弓を引くのではなく、骨で引け」などと指導を受けたあと、3本の矢を射た。1射目、的の右1メートル、外す。2射目は15メートルあたりで落下し、的に届かず。3射目は1射目に同じ。お二人から「初めての弓で、的に届いただけでも上出来や」と、慰めに近いような講評をいただいた。 同道場では、門下生を受け付けている(0795・76・2558)。  (太治庄三)

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