福住地区まちづくり協議会 (土井忍会長) が、 まちづくりの拠点となる施設 「樋口邸」 の整備を進めている。 施設は、 地域の助産師として多くの命を生み出してきた故・樋口つるさん宅を改装した築400年の伝統が残る町家。 樋口さんの仕事と、 「新しい福住のまちづくりが生まれる場所」 という意味もこめ、 愛称は 「さんば家ひぐち」 に決定した。 7月ごろの完成を目指しており、 住民間の交流の場を演出する。
同施設は、 江戸時代の建築とされる木造2階建てで、 敷地面積は約137平方メートル。 白壁に格子窓、 特徴的な妻入りなど、 当時の建築様式を色濃く残している。
近年は空き家だったため、 樋口さんの家族から同協議会が借り受け、 約800万円の費用をかけて改修を進めている。
完成後は、 住民はもちろん、 外部から訪れた人との交流や宿泊など、 さまざまな人が出入りする拠点施設にする。
同協議会によると、 生前の樋口さんは40年ほど前まで、 地域の助産師として活躍。 同校区はもちろん、 旧多紀町も含めて多くの子どもの誕生に立ち会い、当時は「産婆の樋口さん」 と言えば多くの人が知る人物だった。 今でも一定年齢以上の人の大半が、 樋口さんに取り上げてもらったという。
愛称は同協議会が広報紙やホームページで募集。 同協議会内には、 2030年までに人口を倍増させる 「ふくすみ2030プロジェクト」 があり、 新しい命の誕生にもつながるということで、 「さんば家―」 に決定した。
同プロジェクト代表の関口和史さん (56) は、 「人口が増え、 地域が活性化するためには住民だけでなく、 外部からたくさんの人が来てもらうことが大切。 その受け皿にこの施設がなれば」 と意気込んでいる。