実りの秋を迎え、収穫体験の取材が増えてきた。「児童・生徒が農産物を収穫」という記事も目立つ。自分も小学生の頃に、稲刈りやサツマイモ掘りの収穫を体験した。
自分たちの頃にも多かったが、今では収穫体験ではじめて田畑の土に触れるという児童・生徒ばかり。最近は農家であっても子どもに手伝いをさせない家が増えている。祖父母の家も農業をしていたが、大人たちが機械で作業するものだから、子どもには手伝いようがない。
そんな未経験の児童たちの収穫体験では、取り組みに差が出る。
例えば、男子には収穫体験を「遊び」にして楽しむ子が多い。自然と、誰が一番多く掘ったか、刈ったかを競い始める。女子は収穫体験を「作業」として楽しむ子が多い。友人と話しながら、作業をこなしていく。ある稲刈り中の児童は、大人の指示もなく、数人のグループで工程を分担して作業をはじめるなどの工夫をしていた。
同じことをしているはずなのに、少しずつ違いがでてくる。収穫体験の取材は、そんな違いを見つけられるのが面白い。(河本達也)