希少種の蝶、 オオムラサキが舞う環境づくりに取り組む 「兵庫丹波オオムラサキの会」 (樋口清一会長、 101人) 事務局の丹波の森公苑は、 同会員が丹波市市島町鴨庄地区内でオオムラサキの幼虫1匹を発見したと発表した。 同公苑が幼虫探索を始めた2007年度以降では、 同市内で発見されるのは初めてという。
7―8月にふ化した幼虫は、 11―4月にかけて体長2センチほどの 「4令幼虫」 となり、 エノキの葉にくっついて越冬する。
同公苑では、 07年度からケージを設置してオオムラサキの飼育に取り組んでおり、 成虫になる夏には放蝶もしている。 また、 同会員が、 丹波地域内でエノキのある71カ所 (丹波市44、 篠山市27) をポイントに設定し、 毎年2―3月に越冬する幼虫探索を行っている。
オオムラサキは成虫になると、 クヌギから出る樹液をえさにし、 行動範囲は5キロとされている。 同公苑は 「公苑から飛んでいったものか、 その土地で育ったものかは分からないが、 エノキやクヌギなどが成長し、 里山の環境が豊かになっていると言えるのではないか」 としている。
幼虫を見つけた杉山巧さん (68) =同市市島町酒梨=は、 「最初は違う昆虫の幼虫かと思ったが、 よくこんな場所にいたなと驚いた。 学校が始まったら、 近くの三輪小学校の子どもたちに見せてやりたい」 と話していた。
07年以降の同公苑の調査では、 八上、 福住、 西紀、 岡野、 大山 (いずれも篠山市) で確認されていた。
写真・市島町鴨庄地区で見つかったオオムラサキの幼虫