丹波市歯科医師会 (河原悟会長) は、 訪問歯科診療 (往診) の向上をはかるため、 歯科診療器具などを備えたポータブルユニットを購入した。 これまでは大がかりな器具が持ち込めず、 入れ歯の調整など限られた治療しかできなかった。 同歯科医師会は、 「虫歯の治療や口腔ケアなど歯科医院と同じような治療やケアができるようになった。 気軽に声をかけてほしい」 と話している。
訪問歯科診療は、 寝たきり状態など、 歯科医院に来て治療を受けるのが困難な人のために、 かかりつけの歯科医師が自宅に出向き、 治療するもの。
ユニットには、 歯を削る際に水が出るマイクロモーター、 歯石を除去する時に使う超音波スケーラー、 口の中の切削時の水やつばを取りだすバキュームといった器具を備えている。 重さは約20キロで、 車に積み込んで、 患者の自宅まで運んでいる。
寝たきりになると、 歯の手入れがおろそかになりがち。 入れ歯があっても、 はめていないケースも見られるという。 市歯科医師会の田中公美副会長は、 「食べ物を噛むという行為が出来なくなると、 口腔機能が衰え、 体の健康に影響する。 口の中を清潔することによって、 雑菌が体に入るのを防ぎ、 誤嚥 (ごえん) 性肺炎などの病気の予防にもつなげたい」 と言う。 介護保険や医療保険で対応できる。
市歯科医師会には36人の会員がおり、 ほとんどが訪問歯科診療を経験している。 各歯科医院の待合室に、 張り紙をしてPRしている。
訪問歯科診療については、 かかりつけの歯科医院、 または田中公美副会長 (丹波市青垣町佐治、 0795・87・1118)、 丹波市地域包括支援センター (0795・74・0368)。
(写真)ポータブルユニットを持ち込み、 訪問歯科診療をする歯科医師=丹波市内で