県立柏原看護専門学校が丹波市に15年移管 県と市基本合意

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 県立柏原看護専門学校 (丹波市柏原町柏原) の市立移管について、 荒木一聡県企画県民部長が8月3日、 県庁で会見し、 丹波市と基本合意した支援案を発表した。 2015年4月から 「市立」 とし、 年間運営費の3分の2、 校舎など施設の建て替えに伴う市負担分を県が全額負担するなど、 手厚い中身となっている。 昨年10月に県病院局が2015年3月末で閉校すると発表した同看専。 7月12日からの1カ月弱の交渉で、 存続が決まった。

 

 県の支援案は、 ▽現行の土地・建物を無償で市に貸す▽入学料・授業料および看専に対する地方交付税措置額を控除した後の実質負担額の3分の2相当 (定額) を県が支援する▽県から市へ教員の派遣等を支援する▽県立柏原病院建て替え (2018年着手を予定) に合わせ、 市が施設を建て替える。 整備費は、 市が合併特例債の活用を前提に考え、 県が交付税措置後の実質負担額相当を支援する―の4点。

 市立としての開設時期は、 15年度。 13、 14年度は現行どおり、 県病院局が附帯事業として運営する。 学生募集も、 15年度に設置者が市となる旨を記した上、 13、 14年度は、 県病院局が行う。

  荒木部長は、 年間の運営経費を1・5億円と想定し、 2000万円の授業料とその他収入を差し引いた1・3億円の赤字に、 国から市に入る約7000万円の地方交付税を差し引いた、 年額6000万円程度が市の純粋な持ち出しになると想定。 うち、 県の助成は、 3分の2の 「4000万円相当」 と述べた。 また、 建て替え費用は、 元金の利子を含めて県が負担するとし、 実質的に丹波市の負担をゼロにする考えを示した。 5―6億円との建設費については、 「建設に2・5億円かかったので、 今の価値に置き替えると、 5・5―6億円程度としたもので、 精査した額ではない」 とも述べた。

 昨年10月に県病院局が突然、 15年3月末で同看専の閉校と13年度からの新規入学生の募集停止を公表。 丹波市民を中心に動揺が広がっていた。

 7月12日に市立での存続の可能性が急浮上。 19日に荒木部長、 27日に吉本知之副知事、 8月2日に井戸敏三県知事が辻重五郎丹波市長と交渉し、 基本合意に至った。

 酒井隆明・篠山市長は、 「看護学校が残るということで、 丹波地域にとっては良い話。 これまでささやま医療センターと連携する篠山市独自の看護学校対策を検討してきたが、 丹波市との連携も含め再検討したい」 と話した。

 

【来春入学生40人募集】入試は来年1月17日

 県病院局は8月3日、 県立柏原看護専門学校について、 2013年4月入学生40人を募集すると3日、 発表した。 試験は1月17日午前9時から、 丹波の森公苑で行う。 入学試験の詳細は10月ごろに告示する。

 県庁で岡本周治県病院事業副管理者が会見した。

 例年7月上旬に募集概要を公表しているが、 1カ月遅れとなった。 岡本副管理者は、 「募集停止をしたままでは、 市に移管するまでの2年間、 新入生が途切れることになるので、 病院局で募集事務をする」 と述べた。

 また、 募集の告知がずれ込んだため、 学生募集に例年よりハンデがあるとし、 入学実績のある高校に実際に足を運ぶなどし、 受験生確保に務めるとしている。

 13、 14年度の入学生は、 15年4月から丹波市立看護専門学校に転入することになる。

 今春入学生の入試は、 学科試験 (古文、 漢文を除く国語総合、 数学I、 数学Aおよび英語I・) と面接でおこなわれた。

 

◆県「地域振興で判断」

 荒木部長は会見で、「丹波市民から存続を求める声が出ており、『存続できないか』という話を頂いた」 と切り出した。

 県の行革での廃止決定から一転、 移管しての存続について、 「県は、 看専の必要性は認めない」 と、 行革の判断は妥当だったと強調。 その上で、 「1学年40人の3学年で120人の学生が確保できる。 地域振興として、 市に移管し、 県が支援できることがあるのかないのか検討した」 と述べた。

 荒木部長は、 「(辻重五郎丹波)市長は、 病院事業の附帯事業として廃止することは理解していた。 その上で、 地元で存続を願う声があり、 悩んでいた」 とし、 県が行革で廃止し、 地元に移管した 「日時計の丘公園」 (西脇市) や 「北播磨余暇村公園」 (多可町) を例にあげ、 「県が廃止し、 地元が利活用する場合は、 基本部分を補修し、 一定の運営助成をした例があることを市長に申し上げ、 『一考する』 ということになった」 と述べた。

 さらに、 「地元として、 せっかく建てた建物を活用頂けるとするなら、 無理やりペンペン草を生やすとか、 閉めるなんてことは、 県は決めていない」 と述べた。

 また、 昨年10月の病院局の廃校方針が受験生に与えた影響について、 同席した岡本周治県病院事業副管理者は、 「受験はこれからなので受けようと思っていた人が受けられないということはないと思うが、 一時的に (柏原看専がなくなり) 残念という思いを与えたことは申し訳ないと思う」 とし、 荒木部長は、 「生徒に迷惑かけているのは分かるが、 丹波市にとってみたら、 いい方向に動いており、 前向きに受け止めている」 と述べた。

 

◆市長「知事の英断」

 辻重五郎丹波市長は8月3日、 市保健センターで会見し、 「市や議会、 市民の 『存続してほしい』 という強い気持ちをくんでくれた。 できるだけ県も支援しようと、 井戸知事に英断をしていただいたと、 ありがたく思っている」 と話し、 県が手厚い支援を提示したことが合意に至る決め手になったとした。

 また、 県は事務レベルの交渉においては当初、 合意した内容よりもかなり低い支援額を提示していたことを明かし、 「行革を進めたい県内部の葛藤もあったと思う」 とした。

 また、 知事へ存続を求める手紙や声を届けた市民がいたことを知事から聞かされたと言い、「声を直接、 知事へ届けてくれたことも、 丹波市への評価の一つになったと言えるだろう。 ありがたいこと」 と話した。

 同日、 市議会議員総会では、 県と基本合意した同看専の支援策の中身を示し、 「県として最大の支援。 この中身で決定したい」 と、 移管を進める考えを示し、 議員に理解を求めた。 詳細をさらに詰め、 協定書を交わす。

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