校舎位置「中央公園一帯」と提案 山南地域中学統合 丹波市教委

2012.11.29
ニュース丹波市

写真・山南、 和田両中学校の統合校舎建設位置として丹波市教育委員会が提案した山南中央公園=山南町谷川で

 山南、 和田両中学校の統合について、 時期や新校舎の場所、 校名などを検討する 「山南地域市立中学校統合準備委員会」 (柳川瀬義輝委員長、 36人) の第2回会合が11月26日、 市山南庁舎であり、 丹波市教育委員会が、 「山南地域のこれからの教育を考える会」 の提言 「2中学校の早期統合」 に対する 「市の考え」 として、 新校舎を市山南支所向かいの山南中央公園 (山南町谷川) に建設し、 一帯の市有地を学校用地にと提案した。 校舎位置を決める議論の叩き台となるもので、 次回の同委員会で、 市の案を受け入れるか、 別の位置を検討するかの協議を本格化させる。

 

 市教委は、 ▽市有地に建設▽和田中、 山南中の既存校舎の活用と増改築▽新たな土地に新校舎を建設―の3案を検討。

 山南中央公園 (山南中央グラウンド、 山南農業者等トレーニングセンター、 B&G海洋センタープールなど。 現在の山南中の300―400メートル東側) 一帯の活用案は、 ▽地理的に中心地▽土地の取得が不要で、 開発手続きに時間がかからず、 スピーディーに建設が運ぶ可能性がある▽中央グラウンドを活用できる―などを挙げた。 体育館とプールは、 既存施設を改修するのか、 新築するのか 「議論する」 とした。

 和田中活用案は、 位置が西部に偏っており、「改築、 増築しての統合は非常に厳しい」 とした。 山南中活用案は、 ▽地形上の中心▽強制力はないものの、 文科省の学校施設の整備指針に 「工場近隣は避けるべし」 とある▽校舎が十数年先に耐用年数を迎えるため、 増築工事をしてすぐ新築をする必要があり、 二度手間になる▽グラウンドが狭い―の理由から、「教育環境上好ましくない」 とした。

 新しい用地を求め、 新校舎を建設する案は、 グラウンド、 校舎、 体育館、 プール用地で3・5ヘクタールの土地取得が必要とし、 「ほ場整備された農地の買い上げを想定するが、 位置を考えると、 (まとまった土地を買うのは) 非常に厳しい。 農地法や農振法を解除するのも難しい。 コストも最も大きく、 どこの位置を選んでも、 建設に時間がかかるだろう」 と述べた。

 委員からの、 仮に、 山南中央公園に位置を決めた場合、 最遠方通学者の距離はどの程度になるかとの質問に、 市教委は、 和田中校区西部の五ケ野、 西谷、 坂尻などで 「おおむね11程度」 と述べた。

 委員からは、 東西に長い山南地域の特徴を考慮し、 通学バスの導入など、 通学距離が伸びる遠方通学者への配慮を求める意見が出た。

 また、 三案のコスト比較の質問には、 「設計をした訳でなく、 ざっくりした数字」 と前置きし、 既存校舎の改築、 増築が10億円、 市有地活用案が25億円、 新たな土地を求める新築案が35億円、 と回答した。

  「建設の財政的裏付けはあるのか」 の問いには、 「市の財政計画上、 位置づけている」 とした。 市教委は 「決定でなく提案」 と言い、 委員からも 「案にこだわらない」 「市有地活用と新しい用地を求めた場合のコスト差が小さく、 市教委の提案以外の場所も考えられる」 といった意見が出た。

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