「いじめ受けている」128人 丹波市小・中学校

2013.09.29
ニュース丹波市

 丹波市教育委員会は9月26日、 7月中旬から夏休み期間を利用して市内全児童、 生徒 (25小学校、 7中学校) を対象に個別面談した 「いじめに係る実態調査」 の結果を発表した。 面談を行った5693人のうち、 調査時点でいじめを受けている児童・生徒は128人で、 全体の 2・2 %だった。 市教委は、 開会中の市議会定例会に提案している補正予算が通過すれば、 10月から専門職らでつくる 「学校いじめゼロ支援チーム」 を市教委内に設置し、 相談窓口の充実に努める。

 

 面談による調査の結果、 「いじめを受けている」 とした子どもは306人だったが、 うち178人はすでに解決済みだった。 「いじめ」 の内容では、 小学校低学年では 「仲間外れ」 「悪口を言われる」 など、 同高学年では 「交換ノートに悪口を書かれる」 など、 中学生では 「物を隠される」 「叩かれる」 などの事例があったという。

 市教委は、 「子ども50人に1人の頻度で、 教諭が気づかないいじめが起こりうると認識することが重要と考えている。 今後は数字を真摯に受け止め、 解消率を高めるために適切な対応をしていきたい」 とした。

 一方、 人をいじめているとしたのは41人で、 全体の0・7%。 いじめを 「受けている」 とする人数の3分の1程度であることから、 市教委は、 「いじめている側の認識が薄く、 いじめていると思っていない状況があるならば問題だ」 との認識を示した。

 10月スタート予定の同チームは、 当初は小学校長OB1人、心理士1人、弁護士1人の3人でスタート。 新年度からはさらに教諭OB、 社会福祉士1人を加えた5人体制をとる (弁護士以外は常駐)。いじめ事件があった場合の対応、 学校からの相談にのる、 直接の電話相談に対応する―などが役割。

 市教委は今後、 いじめの早期発見、 早期対応をめざし、 いじめを見抜く教諭の能力向上をはかるための研修や、 お互いを認めあう学級や授業づくり、 傍観者を減らすために児童会や生徒会における主体的な取り組みへの支援などを進める。

 調査は、 6月に行った無記名のアンケート調査を受け、 内容をより精査するために実施。 各学校では、 個別面談調査に基づく生徒指導を始めている。 同様のアンケート調査を次回は11月に実施予定で、 今後も年3回をめどに継続して調査していく方針。

 

関連記事