丹波市氷上町三原と多可町加美区清水を結ぶ主要地方道県道丹波加美線 (延長約6・4キロ) が12月21日に全線開通する。 これまで県道でありながら通行不能区間だった同市氷上町と多可町が、 「清水坂トンネル」 (総延長1931メートル) を含むバイパスで結ばれる。 同県道の愛称を、 氷上町上新庄出身の森安小春にちなみ、 「小春ロード」 とする。 来年3月の供用開始を予定していたが、 3カ月早まった。
トンネルを含む4243メートルを整備。 事業着手は、 2005年度。 多可町側で08年に約2キロの供用が始まっていた。
トンネルは2車線で、 幅6・5メートル、 高さ4・5メートル。 丹波市側から1029メートルのトンネル内部が市町境。 トンネル本体は2年前に着工、 昨年5月末に貫通した。
丹波市側では、 内尾神社横からトンネルまで、 幅7メートルの2車線道路が1180メートル整備された。 同神社横からトンネル入り口に向かっては上り坂。 入り口部分は一番低い所から50メートルほど高くなっている。 トンネル掘削で出た土を、 道路の盛り土に使った。
08年に、 丹波市と多可町で、 主要地方道 「丹波加美線」 トンネル早期開通促進協議会を立ち上げ、 要望活動を続けてきた。
藤原敦実同促進協議会長 (前葛野報徳自治振興会長) は、 「待望の開通。 丹波と北播磨の風が通じ合う。 北播磨側からは、 病院、 商業施設へのアクセスが良くなると大きな期待がある。 うまく利用すれば、 互いの発展につながる」 と喜んでいる。
森安小春は、 養女に行った先の多可町加美区市原で、 親孝行に努めた。 大正4年に婦人世界社が 「日本三孝女」 に選んだことで名が知られ、 県知事賞も受けた。 「孝女こはる」 として、 上新庄でも語り継がれている。
丹波市は、 同県道と接続する市道特19号線の整備を進めている。 全長1140メートルのうち、 長野橋―大谷橋間 (640メートル) は16年度中の供用開始を目指している。 その先は、 橋りょう工事などがあり、 18年度ごろの開通が目標。
12月1日には、 開通を祝うウオーキングイベントが開かれる。