丹波市水道部、 市消防本部職員による不祥事を受け、 丹波市議会は、 24日開会の臨時会で、 地方自治法第100条の規定に基づく 「不正事務処理・不正入札事件調査特別委員会」 (西本嘉宏委員長、 7人) を設置した。 市議会運営委員会 (西本嘉宏委員長、 7人) が、 同特別委設置を求める発議を提出し、 全会一致で可決した。
調査事項は、 水道部における▽平成22年度実施設計業務の不正事務処理▽東芦田新水源のマンガン流出事故、 水質検査結果の隠ぺい―と、 消防本部における物品購入に係る不正入札事務―の3点。
西本委員長は、 「市民から行政のあり方が厳しく問われている問題。 真相解明に向け、 膿を出し切れるように進めたい」 と話した。
次回委員会は30日午前9時半から。 原則公開で行われる。 今後の調査の進め方について議論する。
辻重五郎市長は、 「われわれとしても第三者委員会、 内部調査で真相を究明し、 再発防止に取り組む。 特別委の召集には応じるが、 資料の作成、 提出などの事務が錯綜するのが心配だ。 対応を考えていく」 と話した。
同特別委設置をめぐっては、 議会運営委員会の中で、 市民クラブの山本忠利代表、 丹政クラブの岸田昇議員、 新風会の太田喜一郎代表が、 水道部の不正事務処理について、 「すでに98条に基づく議会特別委員会で調査している」、 消防本部の不正入札事務については、 「警察による捜査が入るような場合には100条委員会による調査は控えるべき」 「公益通報によって明らかになったことであり、 通報者保護が危ぶまれる」 などを理由に、 調査項目をマンガン流出事故と水質検査隠ぺいに絞り、 委員数については 「6つある会派から1人ずつの6人にするのが公平だ」 と主張した。
一方の新生会の前川豊市議員、 公明党の藤原悟代表は 「100条委員会の調査は、 再発防止が目的で、 警察の捜査とは異なる」 「98条に基づいて調べた後に、 また不祥事が判明した。 再度、 100条による調査が必要」 として原案を支持した。
調査項目と委員数の2点について、 本会議を休憩して約2時間にわたり会派間調整が行われた。 最終案では水道部の不正事務処理に関しては 「平成22年度」 と限定した文言が付け加えられた。
西本委員長 (日本共産党) 以外の委員は次のみなさん。
▽副委員長=太田喜一郎 (新風会)
▽委員=土田信憲 (市民クラブ)、 岸田昇 (丹政クラブ)、 藤原悟 (公明党)、 前川豊市 (新生会)、 林時彦 (同)
【100条委員会】地方自治法第100条に基づく調査特別委員会。 地方公共団体の事務に関する調査を行い、 関係者への聞き取りや記録の提出を請求、 拒否した者には罰則が科せられる。 丹波市では2011年7月に 「公共工事に係る調査特別委員会」 が設置された。