水質検査の必要性認識 出来高4.7%で全額支払 市会100条特別委

2014.02.02
ニュース丹波市

 丹波市議会の 「不正事務処理・不正入札事件調査特別委員会」 (100条委員会) が1月30日、 最初の審議を行った。 その中で市は、 東芦田新水源のマンガン流出事故において、 新水源の試運転を行うと浄水場から水が流れ出る可能性があるのを分かりながら、 行うべき水質検査を怠っていたとの認識を示した。 また、 2010年度の市島簡易水道再編推進事業の不正事務処理において、 委託した実施設計業務の4・7%しかできていないのに業者に全額を支払っていたことを明らかにした。

 12年8月に起きたマンガン流出事故時の原因となった新水源試運転の指示命令系統や水質検査に対する認識を、 委員から問われた市は、 「東芦田の新水源と、 既設の西芦田水源の水を混ぜた後に水質検査を行い、 その結果を見て供用という手順であるべきだった。 水がきれいだという思い込みがあった」 と述べた。

 その上で、 「本来、 供用開始する場合は、 県健康福祉事務所への届出が必要で、 市の担当職員の判断で流せるものではない」 とし、 水質検査の必要性を水道法に照らし合わせた場合、 「欠けている」 との認識を示した。

 市島簡易水道再編推進事業における実施設計業務の工期は、 10年10月2日―11年3月25日で、 完了検査を行った11年3月30日時点での出来高は、 4・7%。 委託金額315万円のうち、 14万8050円分しかできていなかった。 同年4月15日に委託料全額を支払った。 以後、 委託業者に順次設計書を納入させ、 全ての業務が完了したのは13年12月3日だった。

 12年8月に11年度の市島簡易水道再編推進事業の実施設計業務において、 業者に対して 「先払い」 していた事実が明らかとなり、 議会も特別委員会を設置して再発防止への提言を行った。 しかし、 昨年末になって10年度の同実施設計業務でも同様の不正事務処理があったことが新たに判明し、 発表したが、 市は不正処理の内容など詳細を明らかにしていなかった。

 同特別委の調査事項は▽10年度実施設計業務の不正事務処理▽東芦田新水源のマンガン流出事故、 水質検査結果の隠ぺい▽消防本部における物品購入に係る不正入札事務―の3点。 この日は、 今後の調査の進め方についても協議し、 水道部に関係する事項を優先して調査することを確認。 また、 委員会は原則公開し、 インターネットによるライブ中継も行うが、 関係者への聞き取りを行う場合は、 証言者の意向を配慮することも確認した。

 次回の委員会は10日午前9時から行われる。

 

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