アジア最貧国といわれるバングラデシュの教育支援活動を行っている篠山市京町のNPO法人 「P・U・S (バングラデシュの村を良くする会)」 が同国で建設を進めていた新小学校が開校し、 現地で完成記念パーティーを開いた。 バングラデシュでの小学校建設は今回で6校目。 同法人理事長の岩下八司さん (63) は、 「これでまた子どもたちが学校に通って勉強できる。 成果が見えるのは10年以上先だが、 成長を見守っていきたい」 と話している。
新小学校は、 「ウッター・デマイ小学校」。 バングラデシュの首都ダッカから、 北東へ8時間の山村の学校で、 5歳から10歳までの250人が通う。 ウッター・デマイ村ではこれまで民家の一室を学校に代用してきたという。
学校の建設費用は日本円で約250万円。 同法人に寄せられた寄付金のほか、 同法人を支援する 「エルセラーン化粧品」 (本社・大阪市) の援助などで賄った。
パーティーでは新しい学び舎の完成を心待ちにしていた子どもたちのほか村長らが参加。 岩下さんや妻の啓子さん (64) に加え、 同法人のスタディ
ーツアーに参加した丹波地域の住民ら20人とともに完成の喜びを分かち合った。
1989年からバングラデシュ支援を始めた岩下さんらは、 「貧困からの脱出には教育が何より重要」 と考え、 96年に1校目を建設。 子どもたちが学校に通えるように日本から教育費を負担する里親制度も展開している。
また2011年には同国の物産を日本で販売して支援につなげる拠点 「だいじょうぶ屋」 (二階町) をオープンさせたほか、 翌年には山村からパッチワーク技術の習得を目指してマルシー・パトワットさんを研修生として招いた。
岩下さんは、 「学校ができて終わりではなく、 学んだ子どもたちが大きくなった時が成果。 それまで自分も元気でいなければ」 と笑顔。 すでに7校目の学校建設に向けて動き出している。