篠山環境みらい会議 (田井彰人会長) の里山部会 (倉垣利明部会長) と篠山東雲高校 (篠山市福住) が、 激減するニホンミツバチの生育環境について考えながら、 地元福住の自然豊かな環境を生かした新たな特産品をつくろうと、 ニホンミツバチの飼育を計画。 9日、 同市東部に巣箱3台を設置した。 同校ふるさと特産類型2年生の内藤太規君 (同市後川中) は 「ニホンミツバチの蜂蜜がどんな味なのか楽しみ。 篠山の新しい特産品となるようしっかりと勉強したい」 と話している。
倉垣部会長の友人で、 「日本在来種みつばちの会」 会員の横関進さん (同市住吉台) の指導で設置した。 「重箱式巣箱」 と呼ばれるニホンミツバチを飼育するのに一般的な巣箱を設置。 ミツバチを誘引するために、 巣箱の内側に焼酎と黒砂糖、 水の混合液を吹きかけたほか、 巣箱の入り口にニホンミツバチの蜜蝋を塗ったり、 ニホンミツバチだけを誘引するラン科のキンリョウヘンの鉢を巣箱前に置いた。 ミツバチが巣をつくり始める4月にはキンリョウヘンの誘引成分を含んだ誘引剤も設置する計画。 夏―秋にかけて2回、 蜂蜜を採取する。 1回につき、 1箱3キロの蜂蜜が採取できるという。
ニホンミツバチの行動範囲は約2キロと言われており、 横関さんによると、 生育にとって良い環境は、 ▽蜜を出す花が多いこと▽巣箱周辺で絶滅の影響を及ぼす農薬の空中散布がないこと。 同校周辺の場所は、 「蜜源植物」 が豊富で 「最高の場所」 としている。
当初、 里山部会が里山整備をしている剛山 (同市北嶋) で巣箱の設置を計画していたが、 剛山で整備を手伝っている同校の生徒が関心を示したため、 同校で設置することにした。 倉垣部会長は 「生徒たちがニホンミツバチの飼育を通して、 環境を考えるきっかけになれば」 と話している。