サルを追い払う犬 「モンキードッグ」 として活躍できるよう、 今年度、 訓練を受けてきた5匹の犬の最終テストが3月25日、 篠山市内5カ所で行われ、 審査員が訓練の成果をチェックした。 モンキードッグとして認定できるかどうかを検討し、 今月中に認定書の交付式を行う予定。 篠山市は、 深刻化するサルの農作物被害を軽減しようと、 2010年度からモンキードッグを育成しており、 これまでにラブラドール・レトリバーや柴犬など、 認定を受けた20匹が市内各地で活躍している。
今年度は7匹が訓練候補犬としてエントリーし、 そのうちの5匹が適性テストをクリア。 6月から、 飼い主とともに、 犬の訓練士やトレーナーによる指導のもと、 服従、 追い払いなど、 度重なるトレーニングに精を出してきた。 最終テストは今田町辰巳、 岩崎、 垣屋、 石住、 東木之部の5集落で行なわれた。
今田町辰巳でテストを受けたのは、 藤原竜治さん (41) =同町下小野原=と、 愛犬のドーベルマン、 キャサリン (メス、 6歳)。 市職員をはじめ、 訓練士やトレーナー、 森林動物研究センターの職員ら5人が審査員として立会い、 実際の活動現場となる山の中でテストを行った。
距離を置いたところから呼び戻せるか、 山の中でコントロールがきくか、 「座れ」 や 「待て」 などの服従のほかに、 人に害を加える危険性はないかなどを確認した。
キャサリンは終始、 飼い主の藤原さんを注視しながら、 呼び戻しの合図や 「座れ」 などの指示に素早く反応、 的確に動作していた。 審査員らは 「よく訓練されている」 などと評価していた。
最終テストを終えた藤原さんは、 「市が力を入れている獣害対策に犬の習性を用いることや、 一般市民も参加できる取り組みに興味を持った。 獣害に困っている人のお役に少しでも立てるなら幸い」 と言い、 「ドーベルマンなので追い払いをするときには、 周囲の人を怖がらせないよう、 口輪をしたりロングリードで対応するなど、 安全対策に特に気を遣いながら活動していきたい」 と話している。
モンキードッグの導入は、 県内では香美町、 神河町に続いて3例目。