篠山市商工会青年部が、 「地域の困りごとは地域の企業に」 を合言葉に、 地元消費者に地元企業を積極的にアピールするプロジェクト 「sasayama毘人 (びじん)」 をスタートさせた。 根底にあるのは、 外部資本の進出や、 代替わりや転入者の増加などによる消費者心理の変化。 篠山で商いを営む専門家集団として、 地元の企業を知ってもらい、 きめ細やかな仕事で地域を支えたい考えだ。
写真・「毘人」 プロジェクトをスタートさせた篠山市商工会青年部のメンバーら=篠山市呉服町で
「毘」 という漢字には、 「そばにいて助ける」 という意味があることから、 市民生活をサポートする地元の商売人を 「毘人」 と名付けた。
プロジェクト第1弾として、 ▽飲食▽建設・建築・製造業▽サービス業▽丹波焼窯元▽卸・小売業・農業―などの各分野を営む101社を紹介したリーフレット 「毘人図鑑」 を発行。 また青年部員らを配し、 プロジェクトをPRする5種類のポスターを製作し、 市内各所に掲示している。
ともにビジュアル面にこだわったもので、 「毘人」 たちの働く姿が垣間見える。
かつては地域でほとんどの経済が回り、 「地域のことは地域の企業が担う」 という認識があったが、 近年、 外部資本の大手企業の進出や市外住民の転入などで消費者心理が激変。 困りごとが起きた際にも、「どこに頼めばよいかわからない」 という声も出るようになった。
現状をかんがみた青年部は、 市民に頼られる地元企業をPRし、 「地元に根ざした業者ならではのフォローと、 業者間ネットワークの活用」 や、 「親切」 「丁寧」 「迅速」を方針にしたプロジェクトに取り組むことを決めた。
今後、 情報発信のために 「毘人図鑑」 をベースにしたホームページの制作や、 子どもたちに地元の企業を知ってもらうイベント、 住民対象のセミナーなどを開催していく。
大前裕樹部長は、 「食品には地産地消があるが、 どんな業種でも地産地消できる。 ぜひ地域の企業を知ってもらいたいし、 使ってもらうことで地域の経済が回っていく」 と言い、 「後継者にも地元でがんばっている企業があることを伝え、 地元で働くことのプラスや楽しさなどをアピールできれば」 と話している。
リーフレットは3月末に折り込みで配布したほか、 市商工会館 (二階町) にも置いている。