市民の寄付が支援後押し 篠山市の「震災復旧復興基金」

2014.04.27
ニュース丹波篠山市

 東日本大震災の被災地へ支援に赴く篠山市民の復興復旧活動に関わる経費などを補助するために篠山市が設置している 「復旧復興支援基金」。その原資は市民らからの寄付金と、 それに同額を上乗せする市の財源によるものだ。 発生から丸3年が過ぎ、 震災の風化が叫ばれる中にあって、 支出を続けながらも基金残額は概ね1000万円前後で推移し、 支援活動を後押ししている。

 基金は震災が発生した2011年度に創設。 市に寄せられた寄付金の中で、 「市や市民が行う支援活動に充ててほしい」 などと要望があったものを選別し、 一般財源から同額を上乗せして積み立て続けている。

 主な支出は、 市社会福祉協議会が派遣を続けている市民ボランティアバスや支援活動に取り組む市民団体への補助、 また、 市内に移住した被災者の生活費の一部も助成している。

 創設初年度となった11年度には、 約2300万円を積み立て、 うち支援活動などに約1134万円を取り崩した。

 12年度は積み立て約16万円と取り崩し約288万円、 13年度は積み立て約438万円、 取り崩し約325万円となり、 13年度末の残高は約1013万円となっている。

 積み立ての2分の1となる市民からの寄付金は、 11年度が約1118万円だったが、 12年度には約8万円と大幅に下落。 しかし、 13年度が約219万円となり、 減少傾向ではあるが、 寄付が続いていることがうかがえる。

 ただ、 13年度に寄付金が増えているのは大口の寄付があったため。 震災に絡めた行事が減り続ける中、 今後も寄付が続くかは未知数だ。

 市民団体への助成を行う 「復旧復興支援活動事業助成金」 は13年度からスタート。 1団体につき、上限30万円を助成するもので、 昨年度は計5団体が活用し、 総額で約133万円の助成を受けた。 今年度も4回に分けて助成団体を募っており、 基金の中から最大で180万円を取り崩す予定になっている。

 助成を受けた団体のメンバーは、 「活動を続けていく上で助成はありがたいこと。 基金は市民や企業からの寄付が原資となっており、 寄付した人たちが納得できるような使い方ができれば」 と話す。

 市は、 「たとえ少額であっても寄付が続く限り、 基金に積み立て、 状況に応じた支援活動につなげていきたい」 と話している。

 同事業の募集は実施期間ごとに年4回実施。 1次募集はこのほど締め切られ、 3団体が応募した。 次回以降の募集は6、 9、 12月に行われる。

 

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