大丹波連携推進協議会を構成する兵庫県の丹波、 篠山両市と、 京都府の4市1町 (福知山、 綾部、 亀岡、 南丹各市、 京丹波町) が8日、 ポップアップホール (丹波市氷上町本郷) で、 災害発生時の相互応援協定を締結する。 被災市町の応急対策、 復旧を円滑に行うための広域防災体制を確立する。 道路網整備によるアクセスの良さ、 地震などの影響を受けにくいとされる地勢から、 後方支援拠点整備に前向きだった丹波市の提案から協定に向けた協議が始まったが、 協定の中では 「後方支援」 についてはうたわず、 「できることから連携する」 (同市防災対策室) 相互応援協定としてまとめたかたちだ。
同協定では、 災害時には▽必要な資機材、 物資の提供▽職員の派遣▽避難者の受け入れ―を明記したほか、 平常時には▽連絡会の開催▽地域防災計画、 必要な資料や情報の相互交換▽救援に必要な物品の備蓄連携―などを行うとしている。
2012年5月の同協議会総会の席上、 丹波市の辻重五郎市長が、 災害時の後方支援拠点整備を大丹波地域の枠組みの中で協議してはどうかと提案。 具現化に向け、 まずは丹波、 篠山両市と兵庫県による 「丹波地域後方支援研究会」 を同年8月に設置。 同年12月までに5回にわたって協議した。
同研究会では、 後方支援拠点整備構想の趣旨や、 南海トラフ地震発生時の被害想定と、 国・県の対応について確認。 丹波市が京都府側の市町に出向き、 大丹波地域でつくる 「検討会」 の設置を働きかけた。 また、 後方支援体制を整備した岩手県遠野市への視察も行った。
翌13年3月に大丹波地域による 「広域防災の取り組みに係る検討会」 を設置。 今年4月までに5回の会合をもった。 丹波市防災対策室によると、 検討会で協定の中身について議論する中で、 丹波市に拠点を設けた場合の防災計画上の位置づけに対する考え方が府県で一致しなかった。
同防災対策室は、「府県をまたぐ場合、 隣接していても支援をしようにも手続きに時間をとられるが、 昨年の台風では、 福知山市と協定を結んでいたために、 すぐに職員を派遣するなどの対応がとれた。 一方、 被災市になった場合を考えると、 助けてもらえる先が増えることはお互いにとってプラスになる」 としている。
【後方支援拠点】大規模災害発生時に、 被災地における救命、 救助、 消火、 医療救護活動などの復旧活動を的確に行うため、 自衛隊、 警察、 消防などの広域支援部隊が迅速に参集し、 活動する拠点。