農地集約を推進 丹波にも管理事務所 中間管理機構

2014.05.22
ニュース

 農地の有効利用の継続や担い手への農地利用の集積、 集約化を進める 「農地中間管理事業」 が今年度から始まっている。 兵庫県では、 ひょうごみどり公社が同事業を担う 「中間管理機構」 になっており、 丹波地域でも、 県丹波農林振興事務所内に、 同公社の丹波農地管理事務所が開設され、 農地集約推進員が配置されている。 今後、 事業のPRや農地を借りたい人と貸したい人とのマッチングを進める。

 これまで農地の利用権設定は、 相対で取引していた。 市、 農業委員会に申し出る場合は農地を貸したい人が耕作を引き受ける人を見つけて利用権設定をしていた。

 従来の方式を残しながら、 今年度新たに、 貸し手が 「機構」 (公社) に貸し、「機構」 が耕作者を選定し、 貸す仕組みが始まった。 貸し手は必ずしも耕作を引き受ける人を見つけなくても良くなった。

  「機構」 は1年間農地を保有し、 その間に、 農地を借り受けたい経営体と、 農地とのマッチングをはかる。

 引き受け手が見つかるまでの間、 預かっている農地の草刈りなどの維持管理は機構で担う。

 農地を貸したい人の受付は、 機構が業務委託する。 委託先は、 農地情報を持っている市かJAを念頭に調整中。 機構で、 預かる土地について一定のルール (耕作放棄地の 「赤」 地域は預かれないなど) を検討している。

 機構は年2回 (6、 12月) 借り手を公募する (同公社のウェブサイトで告知)。 委託先が決まれば、 「貸していただける農地がないか地道にまわり、 協力を募っていく」 (同公社農地管理課) と、 借り手の希望がかなうよう掘り起こしもする。

 機構が借りた農地は、 公募に応募した経営体に貸す。 機構は、 ▽すでに効率的、 安定的な農業経営を行っている農業者の経営に支障を及ぼさないようにする―などのルールにのっとって貸付先を決める。

 また、 農地を貸す側の特典として国庫補助があり、 今年度と来年度は単価がかさ上げされる。

 同公社が4月1日から30日まで借受希望を募ったところ、 11経営体が丹波地域で耕作をしたいと応募した。 借受希望面積は、 篠山市で1280ヘクタール、 丹波市で137ヘクタール。 米穀の卸業者が新規参入を希望しており、 「トウバン」 (本社・稲美町) が、 「三木市、 小野市、 篠山市の合計で1000ヘクタール」、 神明ホールディングス (神戸市) が、 「神戸市、 三田市、 養父市、 篠山市との合計で100ヘクタール」、 伊丹産業 (伊丹市) が 「三田市、 篠山市、 丹波市の合計で100ヘクタール」 などを希望している。 作付予定作物は水稲が主。

 篠山市の岡野小、 西紀南小校区で60ヘクタールの借受を希望している丹波たぶち農場 (同市口阪本) の田渕真也さんは、 「この制度を利用して地域の農地維持、 利用に貢献したい」 と話している。

 事業の問い合わせは丹波農地管理事務所 (0795・73・3791)。

 2012年度で丹波地域の利用権設定面積は3315ヘクタール。 農業振興地域の面積に占める割合は29・7%。

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