篠山市は、 福井県の原子力発電所が事故を起こした場合に備えた安定ヨウ素剤について、 市民への配布方法などの草案をまとめた。 突発的な事故などの緊急時以外にも、 希望者への事前配布も想定。 配布スタートは2015年度中の実施を予定している。 25日に篠山市民センターで開かれた 「第7回篠山市原子力災害対策検討委員会」 で明らかにした。
篠山市は福井県の高浜原発から約45―70キロの距離に位置し、 事故が起きた場合はさまざまな放射性物質が飛来して影響を及ぼすと想定。 うち放射性物質の一種、 「放射性ヨウ素」 は甲状腺がんの原因になるとされているが、 前もって安定ヨウ素剤を服用しておけば、 リスクを低減できるとされている。
事故が起きた緊急時には、 各自治会を担当する市職員が公民館などに安定ヨウ素剤を搬送し、 そこで各個人に配布する。
一方、 緊急時でなくても市内の希望者に事前配布する場合は、 配布台帳を作成し、 開催日を決めて第1次として市役所や各支所で2回、 第2次として篠山、 丹南地区で1回開く。 また市内4診療所では随時配布していく。
市民への事前配布方法の周知と並行して、 医師や保健師、 市職員に対して配布に関わる基礎知識や、 3歳未満へのヨウ素剤調剤の研修などを行う。
希望者への配布に関わる一連の流れは毎年実施。 3年目以降は、 配布済みの人へヨウ素剤の更新通知、 古い薬剤の回収を行う。
現在、 市内では市役所本庁、 丹南健康福祉センターと東雲、 草山、 今田の3診療所に5万人分のヨウ素剤を備蓄している。
委員会では委員らから、 「どの時点で、 誰の指示でヨウ素剤を飲むのか示しておくべきでは」 「他の薬との併用や、 アレルギーなどについて、 事前にチェックシートが必要ではないか」 「日本医師会が出しているガイドラインを盛り込むべきでは」 などの意見が出された。
市では今後、 委員らの意見を加えて修正していく予定。