偉人20人の逸話をマンガに 琴松寺住職・平和宏昭さん、篠山チルドレンズミュージアム館長・垣内敬造さん

2014.06.22
ニュース

 篠山市中原山の琴松寺住職で人権擁護委員の平和宏昭 (ひらわこうしょう) さん (69) と、 グラフィックデザイナーで篠山チルドレンズミュージアム館長の垣内敬造さん (52) =同市小立=が、 日本の偉人20人の逸話をマンガで紹介した本 「まんが問答 一期一話」 (B6サイズ184ページ) を出版した。 2人は 「子どもと親で生き方を語り合うヒントになれば」 と話している。

  「愛語を語れる人に」 「あらゆるものを学ぼう」 「自分の心と向き合う」 「心豊かな暮らし」 の4つのテーマごとにそれぞれ5人の偉人の逸話などを、 垣内さんのマンガ、 平和住職の文で紹介している。 マンガは、 平和住職と、 垣内さんが飼っているチワワとの問答で進められている。

 第1話 「おごりを戒める母の愛」 では、 1985年に27歳で亡くなった女優の夏目雅子さんのエピソードを紹介。 有名になり、 忙しくなった夏目さんが朝食後の食器を片づけずに出かけようとし、 母親からしかられる場面を描き、 平和住職が 「子どもは大人の姿、 生き方を学んで育ちます」 などと、 家庭でのしつけの大切さを書いている。

 最後の第20話 「泥棒に布団を与える」 では、 曹洞宗僧侶、 大愚良寛の逸話を紹介。 良寛が住んでいた小さな庵 (いおり) に泥棒が入り、 盗むものがなく、 かわいそうだと思った良寛がふとんを盗らせてやった、 という話。 「足るを知る者を富者といい、 足るを知らぬを貧者と呼ぶ」 という良寛の言葉を紹介し、 「どんなに財産を持とうとも、 それに満足しなければ富んでいるとは言えず、 たとえわずかな持ち物でもそれに満足していれば、 豊かである」 とした。

 篠山鳳鳴高校でマンガ研究会を立ち上げた垣内さん。 高校、 大阪芸術大学時代に新聞 「篠山週報」 に4コマ漫画を投稿していた。 1991―98年、 平和住職が編集に携わっていた曹洞宗の年刊会報誌 「多紀の曹洞」 に、 垣内さんがマンガを投稿したのが縁で親しくなった。 2001年、 篠山チルドレンズミュージアムが開館する前年の市民団体ミュージアムクラブの結成時にも広報紙作りで、 ともに関わった。

 平和住職は、 「豊かな心を養い、 日本人の美しい心を取り戻すには、 偉人の話にふれるのがいい。 マンガは気軽に読めるし、 心の交流ができる手段になる」 と言い、 垣内さんは 「このマンガで少しでも人々の心が豊かになり、 子どもたちの未来が明るいものになれば」 と話している。

 仏教企画発行。 1200円 (税別)。 篠山チルドレンズミュージアム内ミュージアムショップと琴松寺 (079・557・0650) で販売している。

 

関連記事