篠山市曽地口の草木染め作家、 丸山貴史さん (37) が、 麻を素材に草木染めした 「ふんどし」 の販売を計画している。 日本の伝統的な下着でありながら、 文明開化やそれに伴う洋装の普及とともに廃れていったふんどし。 近年は新たなファッションとして注目を集めつつあるが、 丸山さんは、 「ふんどしほど人間に合い、 男女問わず健康的で機能的な下着はない。 ふんどしの良さをたくさんの人に知ってもらえらば」 と本質の理解を呼びかけている。
販売予定のふんどしは、 染めていない 「生成 (きな) り」 のもので1000円程度、 藍染めなどを施したものは2000円程度を想定している。
7月上旬の販売を目指して準備を進めており、 都市部のほかに篠山市内でも販売したい考え。 インターネットでの販売も考えたが、 「実際に見てもらい、 触ってもらって良さを実感してほしい」 と、 対面での販売にこだわる。
美容整体の経験もある丸山さんによると、 ふんどしは洋装の下着に比べて開放感があり、 リンパや大腿部の付け根に当たる鼠蹊部 (そけいぶ) を圧迫しないため、 健康増進に効果を発揮。 また麻を使うことで、 保温や保湿などの効果も期待できるという。
西脇市出身の丸山さん。 播州織など、 繊維産業が盛んな地元で草木染めの技術を習得し、 その後、 染物に欠かせないきれいな水のある土地を求めて昨年12月に篠山に移住した。
ふんどし製作については、 草木染めの技術を生かして衣食住の 「衣」 を追求しようとする中で、 人間の体に一番近い下着に注目。 「こんなに理にかなっている下着はない」 と、 製作に取り組むことにした。
「最近、 ファッションとして注目されだしているが、 それ以前に着ていて楽で体に良い。 着てもらえる人たちの健康が少しでも保てれば」 と語った。