ヒダサンショウウオ確認 探索10年、幼体捕獲 ふれあいの里で展示中

2014.07.13
ニュース丹波市

山中さんが青垣町内で捕まえ、 持ち込んだヒダサンショウウオの幼体=青垣いきものふれあいの里で

県レッドデータブックBランクで、 環境省レッドデータブック準絶滅危惧種のヒダサンショウウオが、 青垣いきものふれあいの里 (同町山垣、 0795・88・0888) で展示されている。 平衡桿 (かん) と呼ばれる棒状の突起がえらの近くについている幼体で、 ウーパールーパーのよう。 同施設では 「愛きょうがあり、 かわいらしい希少な両生類を見てもらえれば」 と来場を呼び掛けている。

10年以上前から青垣町内で同サンショウウオを探していた元同施設運営委員の山中利樹さん (57) =同町今出=が同町内で3匹捕まえ、 同施設に寄せた。 体長は3センチほどで薄い茶色をしている。

体を平衡に保つためにあるとみられる平衡桿は、 えらが十分に発達するとなくなってしまう。 成体は8―18センチになる。

両生類に詳しい県立人と自然の博物館の太田英利研究部長によると、 同サンショウウオは、 土地開発、 河川の汚濁、 河川水の富栄養化などが生じると、 真っ先に姿を消す生き物という。 「生息地帯が減っており、 近年、 丹波市で見つかることは稀で珍しい」 と言い、 「他の小型サンショウウオに増してきれいな水でないと生息できない。 よほど良好な環境が保たれているのだろう。 よく見つけた」 と感心していた。

山中さんは、 40―50年前には、 当たり前にいた同サンショウウオが姿を消したことが気になり、 「どこかにいるはず」 と探し始めた。 卵塊の方が成体より見つけやすいと助言を受け、 雪が降る2月、 3月に沢を歩いたこともあった。

山中さんは、 「やっと見つけたという思い。 感動した。 青垣に残っていてくれたのがうれしい」 と満面の笑顔。

同施設で開催中の 「淡水魚展」 (8月31日まで) に合わせて公開している。

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